東京五輪の抑えは山崎康晃の“一択” アテネ大会の守護神が栗林&平良を選ばないワケ

ロッテなどで活躍した小林雅英氏【写真:荒川祐史】
ロッテなどで活躍した小林雅英氏【写真:荒川祐史】

横手投げの阪神・青柳は「おそらく長いイニングは想定されていない」

 国際試合では、2009年の第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でのダルビッシュ有投手(現パドレス)、2015年第1回プレミア12での楽天・則本昂大投手のように、先発投手が急造で抑えを務めるケースがあるが、必ずしも好結果を残していない。

 小林氏は「いくら力があるとしても、違う役割を務めてきた投手に簡単に務まるものではない」と強調。それだけに「長年専門職としてクローザーという役割を全うしてきた山崎に、こだわりと意地を見せてほしい」と熱くエールを送る。

 横手投げの阪神・青柳晃洋投手の起用法にも小林氏は注目する。過去の国際大会で、元ロッテの渡辺俊介氏、現楽天の牧田和久投手、ソフトバンク・高橋礼投手ら、重宝された下手投げは数多い。

「初見では打ちにくい。相手も3打席目、4打席目となると、対応力のあるメンバーがそろっていると思うので、青柳投手に関してはおそらく、長いイニングを投げる想定はされていない」とした上で「本当に難しい場面で、右打者を抑えてほしい所で出てくるはず。ワンポイント的な起用もありうる」と予測する。今季阪神で先発を務めている青柳が、普段と違う役割に対応できるかどうかも鍵になりそうだ。

 先発要員は代表経験豊富な楽天・田中将大投手、巨人・菅野智之投手、中日・大野雄大投手、先発・リリーフ両方で大車輪の働きが期待されるオリックス・山本由伸投手、2年目で伸び盛りの広島・森下暢仁投手とバランスが取れている。それだけに、リリーフ陣の奮闘と、起用する稲葉監督の手腕が注目される。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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