痛恨の引き分けで6戦勝ちなし 苦しむソフトバンクで気がかりな「元気のなさ」
ソフトバンクといえば、松田や川島を中心とした明るさがカラー
このソフトバンクで気がかりなのが“元気の無さ”だ。ソフトバンクといえば、元来、明るさがチームカラー。ベテランの松田や川島が中心となってチームを盛り上げ、グラウンドに響き渡るほどに声が出るチームだ。
ただ、ここ数試合、得点がなかなか入らないこともあるだろうが、その元気さがイマイチ感じられない。主催試合は現在、無観客で開催。ファンがいない分、グラウンドの声がよく聞こえてくる。いつもであれば、1球ごとにソフトバンクの選手とベンチの声がグラウンド上に響くが、ここ数試合、耳に残るのは三塁側、つまり広島であり、ヤクルトであり、この日の対戦相手の日本ハムベンチの活発な声。ベンチ横でリポートする中継局のレポーターも同様に感じていた。
工藤監督はこの日の試合後、ベンチの空気についてこう語っている。「点を取られたときはシーンとなっちゃいますけど、点を取っているときはいい雰囲気ですよ。『さあいくぞ!』『勝つぞ』という声は出ている。ベンチ自体がドヨーンとしている感じはないです。打てなくて帰ってきたら、声のトーンはね、一段階下がるとは思いますけど、それはしょうがないことなので。ベンチにいる人たちが『次、次!』『切り替えて』と声は出ている」。決して雰囲気が悪いわけではないと指揮官はいうが、どうしても元気なく映ってしまう。
負けが込み、チーム状態が上向かない中では、選手たちも気落ちするのは仕方ない。ただ、かつて工藤監督が語っていた“明るく楽しく”のスタイルこそがソフトバンクらしさ。活気のあるホークスの野球が見たい。そう願う人は少なくないはずだ。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)