前田健太、復活3勝目の裏にあったイチロー氏の存在「もう1回、原点に戻って」
投球の4割占める生命線を自在に操り6回2失点
■ツインズ 4ー2 レンジャーズ(日本時間21日・アーリントン)
ツインズの前田健太投手が20日(日本時間21日)のレンジャーズ戦に先発、5回1/3を2失点の快投で今季3勝目(2敗)を挙げた。5月23日(同24日)に右足内転筋の張りで7日間の負傷者リスト(IL)入りし、マイナーでの調整登板を経た今月14日(同15日)にメジャー復帰して以降は初勝利となる。この大きな白星には、日本人メジャーリーガーの大先輩、イチロー氏(現マリナーズ会長付き特別補佐兼インストラクター)の存在が大きく関わっていたようだ。
前田がILから復帰し、前回先発した14日の試合は敵地でのマリナーズ戦。この連戦の際にイチロー氏に請われ、広島時代から決め球にしてきたスライダーを“伝授”したのだという。これには前田も「イチローさんにスライダーの投げ方を教えてって言われて……。イチローさんがバッティングピッチャーとかで投げると思うので、スライダーで三振を取りたいんだと思います」とさすがに恐縮気味だ。
レジェンドへの伝授で、自らの動作を振り返ることもできたのか。20日の試合は今季感触の良くなかったスライダーを自在に操った。「今シーズンはスライダーの曲がりが良くなかったりとか、ベース上から大きく外れるスライダーが多かったんですが、前回あたりからすごく感覚が良くなってきて、アウトを取れるようになってきたので本来のスライダーは戻ってきたんじゃないかと思います」と、手ごたえも十分の様子だ。
今季も投球の40パーセントを占める球種を生かせていなかったのは、シーズン序盤のまだ寒い気候の中、力づくでボールを曲げようとしていた反動だという。「曲がらないから、もっと曲げよう曲げようというのが自分のフォームだったり、頭の中にあった。それが原因でベース上から大きく外れ、投げた瞬間にボールになるスライダーが多かった。もう1回原点に戻って自分のスライダーの投げ方というのを思い出しながら、投球フォームを意識しました」。イチロー氏との出会いも、原点に立ち返るきっかけとなった。
イチロー氏に「教える」ことで決め球を蘇らせたマエケン。4連勝中とはいえ、現在30勝41敗と苦戦を強いられているツインズで、大車輪の働きが求められる。
(Full-Count編集部)