100年の歴史刻んだ仙台商 OBの元燕・八重樫氏が明かした甲子園8強入り秘話

1969年夏に主将・捕手として甲子園8強入り

 レジェンドも駆けつけた。1967年夏に1年生で、1969年夏には主将・捕手として甲子園を経験し、1969年のドラフト1位でヤクルト入りした八重樫氏。始球式ではキャッチャーミットを手にグラウンドに向かった。投手は現在のユニホームのデザインにも関わり、甲子園初出場の際に部歌「ファイト仙商」を作詞作曲したOBで88歳の篠田次郎氏。打者は八重樫氏と同級生で遊撃手だった佐藤仁氏(南三陸町長)が務めた。「さぁ、篠田先輩、行くぞー」という八重樫氏の掛け声で篠田氏がマウンド手前からボールを投じて試合が始まった。

「大先輩と同期の仁君と始球式をやれて、思い出になる。野球部の創部100年というのは全国でもそんなに多くないと思う。その中で野球をできたというのは嬉しい」と八重樫氏。3年夏の甲子園で8強入りできたのは篠田氏らOBが関東遠征を組んでくれたおかげだと明かし、「東北地方では強いと思っていたが、関東のチームに苦戦し、まだまだだと思えた」と懐古した。仙台商の後輩たちに向けては、「常に毎年、上位で争うチームになってほしい」とエールを送った。

 仙台商は2年前の秋、県大会で39年ぶりの決勝に進出して準優勝しており、3年生は東北大会を経験している。初戦で青森山田と対戦。当時、1年生だった右腕・齋賢矢(3年)が4安打に抑えたが、0-1のサヨナラ負けと惜敗だった。その後の1年生大会では仙台育英に勝利した。今春はセンバツ出場の柴田と県大会初戦で激突。齋が7回まで1安打に抑えたが、8回に4安打で畳み掛けられるなどし、1-4で敗れた。夏に向けて攻撃力アップに励んでいるという。

 宮城屈指の伝統校。松本主将は試合後の挨拶で「99年の積み重ねと伝統、歴史があり、今の私たちがある。100年の歴史を引き継ぎ、なんとしてもこの節目の年に甲子園に出場できるよう頑張ります」と決意を口にした。宮城大会は7月7日に開幕。仙台商は9日に小牛田農林との初戦を迎える。100年の歴史を噛み締めて戦う夏がまもなく、始まる。

【動画】ヤクルトの“レジェンド”八重樫幸雄さんが往年の“八重樫打法”を披露

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