悪夢の前半戦に本音ポロリ「大変過ぎて…」 西武辻監督が“雨”に見出した光明
呉念庭、愛斗、岸ら若手の台頭が収穫
33勝38敗14分で“借金5”を抱え、首位オリックスに6.5ゲーム差の5位。過去4年で優勝2回、2位1回、3位1回とAクラスから外れたことがない指揮官にとしては忸怩たる思いだろう。それでもチーム野手最年長コンビの中村&栗山の奮闘などで、なんとか挽回可能な位置に踏みとどまったとも言える。
収穫を挙げるとすれば、故障者続出で出場機会を増やした若手の中から、呉念庭内野手、愛斗外野手、岸潤一郎外野手らが台頭したこと。特に呉は、当初は山川の代役として一塁、その後二塁、最近は主に三塁を守り、打率.272、7本塁打、チーム最多の42打点の打棒を振るっている。監督推薦で初の球宴出場も決まった。この日も3回に試合の流れを引き寄せる7号3ラン。辻監督は「ここまでチームを支えてくれた功労者だと思っている。非常に成長した」と手放しで称賛する。
腰痛などで離脱中の木村も、2軍で実戦を重ねている。本来のレギュラーの顔ぶれが整いつつある。ペナントレース中断期間に行われるエキシビションマッチでは、「まだ細かいことができない若い選手たちを試す期間だと思っている。一方、レギュラーを張ってる選手は(体調を)ベストの状態にすることが一番」と辻監督は言う。昨季までのレギュラーと伸びてきた若手が融合し、後半戦の反転攻勢につなげることができれば、悪夢の故障者続出も文字通り“ケガの功名”だったと振り返ることができるはずだ。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)