史上初の4元号甲子園勝利へ 古豪・北海の命運握るプロ注目左腕は「成長を実感」

OBの巨人・鍵谷から贈られた弾道計測器で直球は2400回転をマーク

 甲子園では力不足を痛感した。「緊張」や「プレッシャー」という言葉とは無縁だった左腕が、ペース配分を誤った。「気持ちが高ぶり過ぎて、序盤にギアを上げ過ぎました」と振り返る。5回までの1安打無失点投球から一転、6回以降は毎回走者を背負う苦しい投球が続いた。

 スタミナ不足に加え、昨秋は面白いように三振を奪ったスライダーが思い通りの軌道で曲がらない。序盤の奪三振も「相手が合っていなかっただけで、自分が思ったスライダーは1球もなかった」と納得していなかった。札幌に戻った後、すぐにビデオで原因を分析。「曲げよう、曲げようとするあまり、真っすぐと腕の振りが違っていました」。緩んでいた振りを真っすぐと同じ振りになるように修正し、今夏は自信を持ってスライダーで空振りを奪っている。

 5盗塁された甲子園で、クイックの大切さも学んだ。「それまでクイックは大事だと思っていなかったんです。左だし、走られないと思っていました」。クイックの練習をすると、バランスの良いフォームで投げられることが分かった。「その感覚を足を上げた時にもつなげています」とフォームを進化させた。

 最新機器も有効活用している。選抜後、創部120周年を記念してOBである巨人の鍵谷陽平投手から弾道計測器「ラプソード」が野球部に贈られた。直球の回転数は、プロの平均と言われる2200回転を大きく上回る2400回転をマークした。別の機器で1年生の時に測った時は1500回転。「良くても2000ぐらいかなと思っていました」と予想を上回る数字を見て自信をつけた。スライダーも2800回転と高い数字を叩き出した。

エース兼4番は、2016年甲子園準優勝時の主将だった大西健斗以来

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