最速165キロの技巧派右腕? 大谷翔平が見せる変幻自在投球「相手で変える必要ある」

アスレチックス戦に先発したエンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】
アスレチックス戦に先発したエンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】

ここ数試合で新球カットボールが確かな勝負球に「有効に使えている」

■アスレチックス 4ー1 エンゼルス(日本時間20日・オークランド)

 エンゼルスの大谷翔平投手は19日(日本時間20日)、敵地・アスレチックス戦で「2番・投手」で出場したが、メジャー自己最多5勝目はならなかった。6回8奪三振3安打無失点と好投したものの、後半戦初登板を勝ち星で飾れなかった。それでも、メジャー4年目の進化、投球の幅を感じさせる投球を見せた。

◇ ◇ ◇

 曲げる、曲げる。大谷が代名詞の160キロ超の剛速球と“魔球”スプリットに頼らない投球を見せた。スライダー、そして今季から使う新球カットボールを軸にアスレチックス打線を手玉に取る。どこかスイスイと投げている印象だ。「(カットボールで)うまく球数調整が出来ているかなと。有効に使えているかなと思います」。大谷はバットの芯を外す投球への自信を口にした。

 変幻自在ぶりが凄い。カットボールの投球割合は6月まで10%前後と、ほとんど使ってこなかった球種だ。ところが、6月23日のジャイアンツ戦、6日のレッドソックス戦と球数増。この2試合はフォーシームの次に高い20%、21%。この日もカットボールは21%と大きな武器になった。

「真っすぐとスプリットはもちろん自信のある球。その2つでいくっていうのも作戦です。ただ、優先順位の低い球も交ぜることによって、他(の球種)が生きてきたりするので、そういう使い分けは相手によって変える必要があるのかなと思います」。これまで剛速球、スプリットのパワーピッチングをしてきたが、メジャー4年目は投球の引き出しが増えているように見える。

 マドン監督も目を細める。「スペシャル。ベリースペシャルだ。またしても難局で力を発揮した。試合が進むにつれて、相手の(大谷の投球の組み立てに関する)予想を参考にして色々な攻め方をしていた。球速も一気に上がり、スライダーもカットボールも良かった」。勝負できる球種が増えれば増えるだけ、相手にとっては厄介な投手となる。

 これまで他球団選手の大谷評は「オオタニは100マイル(約161キロ)を超える剛速球を投げ、500フィート(約152メートル)を超える打球を打てる」というのが大半。特に投手は剛速球投手のイメージが強い。だが、それだけではない。派手な本塁打王争いを繰り広げる打者・大谷だけでなく、投手・大谷も確実に難攻不落な投手へと進化を遂げている。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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