「春に強いが夏に弱い」レッテル拭い去るために…元巨人の監督が打った大博打

東海大静岡翔洋・原俊介監督【写真:間淳】
東海大静岡翔洋・原俊介監督【写真:間淳】

いきなりの満塁弾 東海大静岡翔洋が“夏に強い”常葉大菊川を撃破

 ついに壁を越えた。元巨人の原俊介監督率いる東海大静岡翔洋が20日、全国高校野球選手権静岡大会3回戦で、甲子園常連校の常葉大菊川に5-2で勝利した。2016年に監督就任してから勝てなかった因縁の相手。「夏に弱い」とレッテルを貼られた東海大静岡翔洋が、春から夏にかけて劇的に強くなる常葉大菊川を撃破した要因には、原監督の“賭け”があった。

 吠えた。一塁ベンチの原俊介監督は誰よりも早く柵越えを確信した。ベンチから飛び出しそうなほど興奮したのは、この1打が持つ意味を誰よりも分かっていたからだ。

 1回2死満塁。6番・長村理央内野手が捉えた打球は、常葉大菊川の左翼手が追うのをあきらめるほど会心だった。長村の公式戦初本塁打で、スコアボードに「4」が刻まれる。ベンチの原監督は、両手の親指を立てるサムアップで長村を迎えた。

「常葉大菊川は毎回、乗り越えられない壁だったので、自分自身も緊張していた。選手が相手の名前におじけづかずに戦ってくれた」

 プロ野球選手の経験を持っていても、この試合は特別だった。元巨人の原監督は2016年、東海大静岡翔洋の監督に就任。その夏に、準々決勝で常葉大菊川と対戦した。結果は2-5で敗戦。常葉大菊川は、そのまま静岡県の頂点に立ち甲子園に出場した。リベンジのチャンスは、すぐにやってきた。翌年の夏、4回戦で顔を合わせた。しかし、シード校だった東海大静岡翔洋は、またも涙を呑んだ。

 3度目の挑戦。原監督はセンバツ優勝校・東海大相模の次期監督就任が確実となっており、チームを指揮するのは今夏が最後になる可能性が高い。それだけに、何としても勝利したい相手だった。苦手意識を吹き飛ばす長村の一発を「きょうは、ある程度点数を取らないと勝てないと思っていた。勢いづけると止められない相手なので、先手を取れたのが大きかった」と勝因に挙げた。

「同じことを続けていても変わらない」高い“壁”乗り越えるための賭け

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