田中将大が語る“五輪の心得” 「いかにいつもの自分でいるか」の重要性
「どれだけ自分の力を出し切れるか。そこがキーになってくる」
そんな田中が考える“五輪に臨む上で大事なこと”は何だろうか。「自分の持っているものをどれだけ出し切れるか。そこだと思います」と即答した。「対戦相手だったり、日本代表(という立場)だったり、自分を取り巻く環境が違う中で、どれだけ自分の力を出し切れるか。そこがキーになってくると思います」と語る。
日の丸を背負う気持ちの高ぶりも、過剰になれば平常心を乱す障害になる。「もちろん、このユニホームは選ばれた選手だけが着られるもので、すごく重みがあります」とした上で「かといって自分にできることは変わらない。いかにいつもの自分でいることができるかが大事だと思う」と強調した。
東京五輪ではミズノ製のNPB統一球とは違う、SSK製のボールが使用される。選手によって「やや大きい」「軽く感じる」など反応は様々だが、田中は「僕は全然大丈夫。何の違和感もなく投げられました」と言い切る。実際、革の感触などが大きく異なるMLB公認球やWBC使用球と比べれば、統一球との差異は小さい。
もっと大きい環境の変化に対応してきた田中にとって、自国開催の五輪はお手の物かもしれない。普段と変わらないたたずまいは何とも頼もしく、周りの選手の指標になりそうだ。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)