こだわった「4番大山」…13年ぶり首位ターン 阪神・矢野監督の選手起用を振り返る

不調でもこだわった「4番・大山」

 佐藤輝が新人離れした成績を残す一方で、4番打者として期待された大山悠輔が苦しんだ。前半戦を終え打率.245、10本塁打、43打点。矢野監督は開幕から4番に据え、4月こそ打率.300、5本塁打、23打点と好調だったものの、5月6日に背中の張りで登録抹消となった。

 5月25日に復帰後即4番で起用するも、6月は月間打率.197、3本塁打、9打点と不振に陥ると、同29日から6番に。7月6日からは7番に降格させた。奮起した大山は、3試合で11打数5安打の打率.455、2本塁打、5打点と復調の兆しを見せると、同10日から再び4番に戻った。しかし、その後は5試合で19打数2安打と快音が聞かれないまま、前半戦が終了した。

 ジェフリー・マルテやジェリー・サンズを4番で起用し続けることもできたはず。それでも矢野監督は「4番・大山」にこだわった。昨季は巨人・岡本和真と本塁打争いを繰り広げ、28本塁打、85打点、打率.288の成績を残し、4番の座を掴み取った。しかしながら、今季は得点圏打率も.213と、勝負どころでの1本が出ていない。リーグ3位の出塁率.400のマルテと、得点圏打率.333のサンズの間を打つ大山がブレーキとなってしまっている。

 良くも悪くもチームの成績を左右する「4番打者」。16年ぶりのリーグ制覇へ、主砲の復調は間違いなく必要だ。6月18日には今季最大の8ゲーム差が開いていた阪神と巨人だったが、2ゲーム差まで迫られた。今度は後半戦ダッシュを切るために、重要な五輪中断期間となる。

(Full-Count編集部)

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