ロッテ井口監督が「彼の存在はデカい」と期待 後半戦の鍵を握る男の起用法とは?

ロッテ・荻野貴司【写真:荒川祐史】
ロッテ・荻野貴司【写真:荒川祐史】

12年連続2桁盗塁の球団新記録を達成した荻野「彼の存在はデカい」

 打線に関しては、マーティンとレアードが走者を置いた場面で役割を果たしてくれる分、周りの打者への負担が減っていると思います。荻野(貴司)と(中村)奨吾もコンスタントに出塁したり、時には走者を返したり、打線を繋いでくれるので6番まではしっかり機能しているかなと。

 前半は若手打者を成長させるために積極的に使いましたが、安田(尚憲)、藤原(恭大)、山口(航輝)、高部(瑛斗)といった選手は、もう1つ上のステップに上がらなければいけない。その中でファームで約2か月を過ごした恭大が、1軍に戻ってきてから結果を出し始めました。おかげで7番以下に厚みが増し、打線がよりいい形で機能してきたと思います。

 荻野が球団新記録となる12年連続2桁盗塁を達成しましたが、チームにとって彼の存在はデカい。これまでも荻野が怪我をすると一気にチームが沈んでしまいました。毎年どうやって怪我をせずに1シーズン試合に出られるかが我々の課題です。守備の面でも本来は左翼で運動量を減らしたいところですが、前半はどうしても中堅が多かった。ここでも恭大が戻ってきて中堅を任せられるのが大きいですね。今は「どれくらい走ると怪我をする」というデータも出ています。そういうデータも参考にして、点差が開いている時には休ませながら、荻野に1年を通じてプレーし続けてもらうことが、後半戦のキーポイントになるかもしれません。

 後半は代走や代打の使い方も攻撃のカギになりそうです。今、1軍には和田康士朗、岡(大海)、小川(龍成)と走れる選手が3人いるので、彼らを使ってどう仕掛けていくか。右手首を痛めていた井上(晴哉)もファーム戦に出場し始めたので、右の代打として計算ができる。試合後半で走者が溜まった場面でどうやって使っていくか、いろいろと考えていきたいと思います。

 バッテリー陣は後半戦に向けて、ホームランでの失点について見直したいと思います。前半の課題はホームランでの失点が多かったこと。ボールが高めに浮き始めたところを狙われている。しかも、同じ選手に打たれることが多い。後半戦が始まるまでに、アナリストと話をしながら対策を立てていきます。

 プロ野球が五輪で一時中断となりますが、出場し続けていた選手にとってはいい休養期間。体のメンテナンスをしながら、練習試合を調整の場として使い、後半戦に備えたいと思います。出場機会が少なかった選手や若手はファームでフル出場をさせて試合勘を磨かせる予定です。練習試合の勝敗にはまったくこだわりません。後半初戦のオリックス戦にどれだけベストな状態で臨めるか。この期間の活用法次第で後半戦が決まってくると思います。

後半戦は戦力をフル活用「全員が束になって、相手に立ち向かっていくチーム」

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