エース菅野やFA加入の梶谷らの痛い離脱 主力揃わぬ誤算続きも見えた若手の台頭
首位・阪神とは2ゲーム差で2位、逆転優勝へ中断期間は追い風か
巨人は開幕から前半戦終了まで怪我人との戦いだった。先発ローテもスタメンも固定できなかったが、なんとか首位・阪神に2ゲーム差の2位につけている。誤算といえば誤算だが、若手が台頭する“嬉しい誤算”があったのも見逃せない。
4年連続7度目の開幕投手を務めた菅野智之投手は、3月26日のDeNA戦(東京ドーム)で6回3失点と試合をまとめたが、脚部に違和感を覚え、登録抹消。4月9日に復帰も、5月8日に今度は右肘違和感で抹消。今季は2勝(4敗)に留まっている。FAで獲得した井納翔一投手も未勝利と頼みの先発陣が奮わなかった。
投手陣は菅野だけでなく、サンチェスやデラロサの外国人投手も復帰はしたが、一度、怪我で戦列を離れた。主軸候補だったテームズは4月27日のヤクルト戦(神宮)で右アキレス腱を断裂する大怪我をした。同じく期待の大砲のスモークは翌28日に来日1号アーチを放ったが、6月17日に家族と過ごすために米国へ帰国。退団の手続きをとった。予定していた戦力だったため、シーズン序盤の帰国は大いに計算が狂った。
野手陣では坂本勇人内野手が5月9日のヤクルト戦(東京ドーム)で一塁走者時に捕手からけん制球を受け、ヘッドスライディングで帰塁した際に右手親指骨折。約1か月、チームを離れた。梶谷隆幸外野手は5月25日に左太もも裏の違和感で登録抹消。約1か月で復帰したが、7月10日の阪神戦で死球を受け、右手を骨折した。また、好調だった吉川尚輝内野手は6月10日のオリックス戦(京セラドーム)で死球を受け、左手中指骨折……。その他にも丸佳浩外野手の不振による2軍調整などもあり、主力が揃わない日が続いた。
負傷による誤算も多い中、原監督は若手を積極的に起用し、“嬉しい誤算”もあった。投手でいえば、戸郷翔征投手が8勝と期待以上の活躍があり、高橋優貴が“覚醒”の9勝と先発陣を支えた。ここにドミニカ共和国五輪代表にも選出されたCC・メルセデスやメジャーから復帰した山口俊が復帰したのも大きい。頼みの中川皓太投手の肋骨骨折による離脱も痛いが、田中豊樹投手や大江竜聖投手といった中継ぎも力をつけているのも救いだ。
野手では松原聖弥外野手が8本塁打と長打も打てる1番打者として、安定した成績を残しつつある。誤算はあったが、負傷者で抜けた穴を全員でカバーをしている。この五輪中断期間が巨人の怪我人たちにとって大きな時間になることを期待したい。
(Full-Count編集部)