創部6年目で春夏連続準V 立命館守山を強くした「言いたくても言わない」指導

創部4年目には近畿大会出場、限られた環境の中で躍進

 2016年に学校創立10周年を記念して創部された同校野球部。4年目の2019年秋には県準優勝で、近畿大会に初出場した。短期間での躍進について、立命館大学時代は副主将、その後は社会人でもプレーしコーチも務めた経験を持つ秋武監督は、自身の指導法について語った。

「『言いたくても言わない』という感じですかね。経験させて、そして自分で気づいて。気づかなければこちらが教えてあげる」

 打席でのボールの待ち方、守備のポジション取り……、「失敗するな」と思っても、練習試合ではあえて指摘しない。「自分が選手だったら、こういう監督がいいなと…」と語った秋武監督。選手に自主的に考える習慣を植え付ける狙いがあった。

 野球部には専用グランドがなく、市民球場や立命館大学の球場を借りて練習を行っているため、環境と練習時間には限りがある。どれだけ短い時間で効果的な練習ができるか。そのためには「頭を使う」ことが重要だった。主将の吉田天龍内野手(3年)も「どのチームよりも頭を使ってきました」と胸を張る。

 春に続き躍進を見せたが、チームの「甲子園で1勝」という目標は叶えられなかった。「先輩をすぐに超えてほしいなと思いますね」と秋武監督は2年生にハッパをかけた。短期間での成長がチームの強み。1か月もすればやってくる秋の大会までに、先輩たちを越えるチームを作り上げる。

(上野明洸 / Akihiro Ueno)

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