「女の子の憧れのチームに」創設から6か月で関西制覇、阪神Womenの“野望”
三浦主将「このチームに入りたいと思われるプレーができたかな」
現在18人の選手が所属している阪神タイガースWomen。チームが本格始動した2月当初、選手たちがよく口にしていた目標がある。ひとつは全国大会での「日本一」、もうひとつが「女の子に憧れられるチームになる」だ。
ラッキートーナメントは、関西圏内の女子中学生チームからクラブチームまでが参戦し、今年は合計27の硬式野球チームと女子硬式野球部がしのぎを削った。その中で阪神タイガースWomenと直接対決したのはわずか5チームだが、対戦相手の目にはどのように映ったのだろうか。
準々決勝で対戦した和歌山Reginaの最速109キロのストレートを誇るエース・岡田未来(中3)は「大人相手に投げて打たれるのが怖かったけど、(NPB球団の女子チーム選手に)なってみたいなと思えた。憧れる」と話した。クラブチームに所属できる年齢に達するまでに、兄・岡田俊哉が所属している中日ドラゴンズにも女子野球チームができるよう期待を寄せる。
ほかにも対戦の有無に関わらず「かっこいい」「チーム名だけで圧倒される」など前向きな意見が多い。特に女子プロ野球を熱心に見ていた女の子にとっては、憧れの選手と同じグラウンドに立ち、直接対決できる可能性があることへの喜びも大きいようだ。また、女子プロ野球選手になることを夢見ていた学生は、再始動の可能性が不透明な女子プロ野球リーグに代わって、NPB球団の名を冠したクラブチームへの入団を将来の進路として視野に入れている。
全国的に女子硬式野球部と女子野球人口が増加しているのに対して、高校卒業以降に女子野球を続けられる進路の選択肢が少ないのが現状だ。関西圏内でより高いレベルの野球を続けられるのは阪神タイガースWomenであることが、ラッキートーナメント優勝で証明された。
「このチームに入りたいと女の子たちに思われるプレーができたかなと思う。関西優勝チームとして全日本選手権もがんばる」
主将の三浦は決勝戦のあとにそう話し、関西にとどまらず日本中の女子の憧れの的になれるよう、まずは8月の全日本選手権制覇にむけて更なる技術向上を目指す。
(喜岡桜 / Sakura Kioka)