史上初めて東京ドームで開催された東西東京大会 選手、監督が感じたものとは?

二松学舎大付・市原監督「大江、誠也はここでプレーしているのか」

 東東京大会の準決勝1試合目は、関東一と修徳が対戦。プロ注目エースが投げ合い、関東一の市川祐投手(3年)が修徳打線を3安打1失点に抑え完投勝利。「マウンドは硬かったが、特にプレーに影響はなかった」と自己最速を6キロも更新する152キロを計測。新宿区出身の右腕は、小学生時代に隣にある東京ドームシティの遊園地に何度も行ったことがあるといい「楽しかった思い出があります」と小学校時代を振り返った。

 最後に決勝に駒を進めたのは二松学舎大付。帝京との接戦を4-2で制し、市原勝人監督はほっと胸を撫で下ろした。初の東京ドームでの指揮に戸惑いはあったという。「選手らは楽しそうにやっていましたよ。どちらかというと私の方が違和感があった。高校野球をやるような球場ではないですから。でも、『大江はここで投げているのか』とか、『誠也はここに座っているのか』とか思いながらベンチにいました」。巨人・大江竜聖投手や広島・鈴木誠也外野手ら、プロで活躍する教え子らの名前をあげ、感慨に浸りながら指揮をとっていたという。

 惜しくも決勝進出とはならなかったが、帝京・前田三夫監督は清々しい表情だった。「真夏なのに快適でしたよ」と報道陣を笑わせる。秋季東京大会は2回戦で小山台に0-10のコールド負け、春季東京大会も初戦敗退。「春の負けで本当だったら終わりだと思ったんですけどね。選手らは良くやりましたよ。もう少しだった」と、どん底から這い上がった選手らを褒めた。今年で10年連続で甲子園を逃し「勝てばもっと快適だったなぁ」と、少しだけ悔しそうな表情を見せた。

 史上初の東京ドーム開催となった東・西東京大会。選手も指揮官も、戸惑いや楽しさ、様々な思いが交錯していた。決勝は8月2日、10時から国学院久我山-東海大菅生、15時半から関東一-二松学舎大付が予定されている。2年越しの甲子園の切符を手にすべく、慣れないグラウンドで球児らが白球を追いかける。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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