「気持ちだけは負けません」 監督の“想像を超えた”二松学舎大付エースの言葉

9回のマウンドに上がるとき、市原監督に力強い言葉

 序盤から、直球とスライダー、カットボールに加え、冬場に習得したチェンジアップで打者を翻弄。関東一打線を6回まで無安打に抑え込んだ。最終的には9回を投げ切り3安打1失点完投し、打っても2回に先制打を含む3安打の活躍。4打席目は申告敬遠で勝負を避けられた。市原監督は「自信を持って投げることができていましたよね。苦しい場面は何度もあったと思うんですけど、右打者の内角にも強気で投げられて、ワンバウンドも怖がらず、緩い球も上手に使っていた。本当に成長しました」と、絶賛した。

 自信は言葉にも表れていた。9回のマウンドに上がる前に、秋山と話した時のことだった。「まだ試合は終わっていないから、気持ちを強く持っていけ」と伝えると、「気持ちだけは負けません」と強い言葉で返された。頼もしさを感じた瞬間だった。その言葉通り、最後も強気の投球は変わらず。打者3人で締め、甲子園を決めた。

「長い大会でしたので、集中力を切らさずに頑張ってくれた。ご苦労さまと伝えたい」。そう選手らを労う監督だったが、1週間後には、すでに甲子園での戦いが控える。想像を超える活躍の選手を見て、市原監督の期待もさらに高まる。ただ、その期待を選手らはさらに超えていく。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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