首位阪神、16年ぶりVの鍵は 巨人はエースの復調が不可欠 専門家がセを占う
阪神は「7回を担うリリーバー」、巨人は菅野が復調すれば「3連覇に近づく」
開幕直後から首位を走ってきた阪神と、最大8ゲーム差をつけられながら現在2ゲーム差に肉薄している巨人はどうか。野口氏は「調子が悪い時にはそのまま負けが込んでしまう阪神より、調子が悪くてもそれなりに野球ができる巨人の方が若干上手かなとは思います」と語る。
2005年以来、16年ぶりのリーグ制覇を狙う阪神は「7回を担うリリーバーが鍵を握る」と指摘する。守護神のロベルト・スアレス投手は中断中に一時帰国した影響で再開後数試合は不在となる見込みだが、状態は悪くなさそう。8回には東京五輪で活躍した岩崎優投手が控える。問題の7回は、好調時には岩貞祐太投手らが担ってきたが、今後は20歳左腕の及川雅貴投手らに期待がかかる。
一方、巨人はコンディション不良で東京五輪代表を辞退した菅野智之投手の復調が不可欠。「彼が中6日で回り、結果を出せる状態に戻ればチームも3連覇に大きく近づくと思います」と野口氏は言う。
Bクラスの4位・中日、5位・広島、6位・DeNAはわずか1.5ゲーム差内にひしめいているが、3位・ヤクルトと中日は10ゲーム差。それでも中日はチーム防御率がリーグトップの3.31で投手力が強みだ。逆にDeNAはチーム打率がリーグトップの.2608、広島もほぼ同率の.2606を誇る。特にDeNAは、リーグで6人しかいない3割打者(規定打席以上)のうち4人(佐野恵太外野手、桑原将志外野手、タイラー・オースティン外野手、宮崎敏郎内野手)を占めている。
「中日の投手陣とDeNA打線を併せ持てば、絶対優勝なのですが……」と野口氏は苦笑。東京五輪で侍ジャパンの守護神を務め上げた栗林良吏投手を擁する広島を含め、上位浮上へのきっかけをつかみたいところだ。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)