阪神にとっては“大の天敵” 首位攻防の鍵を握る巨人・高橋優貴が甲子園で強いワケ

「コントロールは精密というほどではなく逆球も多い」のが幸い?

 野口氏は「スクリューとスライダーはいずれも120キロ前後の球速で見分けがつきにくく、途中まで同じ軌道で来て、手元で逆方向に曲がるので打ちにくいと思います」と分析。「前回登板(7月4日)のDeNA戦(4回2/3を2失点で敗戦投手)と比べて、表情にも終始余裕がありました」と見た。圧倒的な相性の良さが自信につながっているようだ。

 甲子園で強い理由としては「(高橋は)実はコントロールは精密というほどではなく逆球も多い。広くて一発を食らう確率が減る甲子園では細かい制球を気にせず、より大胆に投げられているのではないか」と背景を読み解く。

 また、野口氏は興味深いデータを示す。「あくまでこの日に限った傾向ですが、9番・投手の西勇との対戦を除くと、74球中ストレートは34球(約46%)に過ぎなかった。特にクリーンアップには3度ずつの対戦で、マルテに11球中3球、大山に13球中4球、サンズに8球中2球しかなかった。全体的にもストレートを2球続けることは極めて少なかった」。

 にも関わらず、「阪神の打者は全員ストレートのタイミングで打席に立っているように見えた」と指摘。「これだけはっきりした傾向が表れている以上、せめて中盤以降は変化球に狙いを絞ってもよかったのではないか」と言う。阪神が16年ぶりの優勝に漕ぎつけるには、避けて通れない“天敵”。後半戦も甲子園での直接対決が控えている。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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