オコエ&辰己は「今のうちに苦労を」 楽天・石井監督が見据える中期的な未来図

楽天・オコエ瑠偉【写真:宮脇広久】
楽天・オコエ瑠偉【写真:宮脇広久】

西武に競り勝ち、首位オリックスに「0.5ゲーム差」肉薄

■楽天 7ー6 西武(14日・メットライフ)

 楽天は14日、敵地のメットライフドームで行われた西武戦に7-6で競り勝ち、首位のオリックスへ0.5ゲーム差に肉薄した。東日本大震災の発生から10年を迎えた区切りの年に、8年ぶり2度目のリーグ優勝が現実味を帯び始めている。さらにチームに勢いを与える“プラスアルファ”として、石井一久監督が期待を寄せるのが、オコエ瑠偉外野手と辰己涼介外野手である。

 この日、オコエは「7番・右翼」、辰己は「9番・中堅」で揃ってスタメン出場。2回1死一、三塁ではオコエが、西武先発の今井に対しカウント0-1から外角低めのスライダーに食らいつき、今季1軍初出場だった前日13日に続いて2試合連続で中前へ先制適時打を放った。

 石井監督は「ヒットという結果が出たこともよかったが、(8回1死三塁で)三振した打席も、なんとか食らいついていこうという気持ちが出ていた。内容的には非常に評価できる」と称えた。この打席では、左腕のダーモディに対して150キロの速球を3度ファウルにして粘ったが、最後はカウント2-2から内角低めのワンバウンドとなるスライダーを振らされ、三振に倒れたのだった。

 一方、辰己は3回に今井からバックスクリーンへ9号ソロ。その後は試合がもつれ、4-4の同点で迎えた7回には、無死一塁から絶妙の送りバントが三塁線上でピタリと止まり内野安打に。この回に2点を勝ち越すお膳立てとなった。辰己は「死ぬ気でやりました。バントは課題で、オリンピック(によるシーズン中断)期間中に練習していたので、死ぬ気でピッチャー前に転がそうと思ったら、ライン上に行ったので、かなり焦りました」とまさに必死の形相だった。

 辰己は今年、2月に石井監督から「キャンプMVP」に名指しされたほど猛アピール。続くオープン戦でも打率.385(39打数15安打)をマークし、開幕「1番・中堅」の座を射止めて大ブレークを期待された。しかし、ふたを開けてみれば、打率.240(14日)と低迷中。石井監督は「あの辺(9番打者)にずっといられたら困る。こっちはドラフト1位で獲っているので」と奮起を促す。

石井監督「まだまだ“向かっていく年”。今のうちに苦労してくれればいい」

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