大谷翔平の故郷には「最も熱心なファンがいる」 岩手・奥州市の取り組みをMLBが特集

エンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】
エンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】

2018年に発足した応援団は当初の10人から現在は180人以上に

 投打二刀流で進撃を続けるエンゼルスの大谷翔平投手。メジャー4年目の今季は17日(日本時間18日)時点で打率.269(405打数109安打)、39本塁打(リーグ1位)、86打点(同4位)、18盗塁(同4位)を記録。投手でも17試合登板で7勝1敗、防御率2.93の数字を残している。MLB公式サイトは「大谷の故郷が最大限の努力をしている」として岩手県奥州市が実施する応援の取り組みを特集している。

 記事は「ショウヘイ・オオタニはすでにレジェンドだ。彼は野球界のユニコーンだ」と賛辞に始まり、「彼が今季やっていること(マーベルのスーパーヒーローのように打って、投げていること)はかつて1度もなされたことがないこと」と指摘。「彼は39本塁打でメジャートップに立ち、7勝1敗、防御率2.93だ。今から100年後、人々は今シーズンを振り返って現実のことだったのか、それとも何十年と語られていくうちにどんどん誇張されていった神話だったのかと不思議に思うだろう」と解説する。

 そして「オオタニのファンは南カリフォルニアにとどまらず、球界全体、さらにはMLBのファン層以外にも届いているが、最も熱心なファンがいるのは故郷である奥州市かもしれない」としてその取り組みについて詳報している。奥州市の都市プロモーション課が立ち上げた応援団は、大谷がメジャー移籍した2018年に発足して年々拡大。MLB公式の取材に応じた同課の大越克芳氏によると、当初は10人でスタートし、今では180人以上が加入しているという。

 背番号17にちなんで、毎月17日を「オオタニ・デー」に設定。その日は市の職員だけでなく、銀行や公益事業会社、電力会社などの職員も大谷のTシャツを着用する。奥州市長もオオタニ・デーに参加。公務があっても17日には赤と17を身に着けるようにしているそうだ。

 2018年、2019年には大谷をモデルにした田んぼアートを実施(現在はコロナ禍のため中断)。今年は大谷への応援メッセージを吊るした風鈴が取り付けられて話題になっている。中でも最もユニークな装飾の一つが大谷の手のレプリカで奥州市役所のロビーに設置されている。市の伝統的工芸品の一つである南部鉄器の技術が用いられているという。市役所には手作りの投打成績ボードも設置されている。

 大谷が生まれ育ち、現在も両親が住んでいるにもかかわらず「住民たちは彼が本当にここから誕生したとは信じられないようだ。私たちと同様に応援団の人々も彼が別の惑星から来たと思っている」と記事は伝える。超人的な活躍で米国でもヒーローになった大谷。地元民がそう思っても不思議ではないかもしれない。

【動画】米国でも話題、“大谷愛”あふれる岩手・奥州市民の応援風景

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