京都国際の2年生左腕は悔しさ糧に4安打完封 夏初勝利、歴史変えた“エースの自覚”
選抜でのサヨナラ負けを喫した悔しさから成長
初回、安打と自らの失策で無死一、二塁のピンチを作るも、岡田啓吾内野手(3年)を空振り三振、続く皆川岳飛外野手(3年)には四球を与え1死満塁となった。
「エースとして抑えないといけない場面だったので、気持ちを高めてマウンドに立ちました」
リベンジの機会は早くもやってきた。ギアを上げ、直球で2者連続三振。ゆったりとしたフォームから放たれる130キロ後半の直球に、打者は差し込まれていた。このピンチを凌ぐと、2回には3者連続三振と波に乗った。その後も3安打に抑え込み、京都国際の夏の甲子園初勝利の立役者となった。
指揮官も、バッテリーを組んだ中川勇斗捕手(3年)も、森下は精神的な部分が成長していると口を揃える。春はピンチで“逃げ”の投球をしていたが、今夏はインコースに腕を振って投げ込めるようになり、投球の幅が広がった。
「『マウンドに立ったら点を取られない』という印象を与えるピッチャーになりたかったので、今日はそれができたかなと思います」
エースの自覚が芽生えた2年生左腕が京都国際の歴史を変える立役者となった。
(上野明洸 / Akihiro Ueno)