どうなるパ・リーグ最多勝争い 大混戦を演じる4人の投手の特徴と強みは?

高橋は自身2度目の2桁勝利へあと1勝、岩下も好投続ける

・高橋光成投手(西武)

 高卒1年目の2015年に5勝を挙げ、8月には史上最年少で月間MVPに輝く快挙も達成した高橋。プロ5年目の2019年に再び台頭し、自身初の10勝を記録する活躍を見せたが、防御率4.51と安定感に課題を残してもいた。2020年はシーズンが120試合に短縮されたこともあって8勝止まりだったが、防御率3.74と安定感が増し、自身初の規定投球回にも到達した。

 さらなる活躍が期待された今季は8月24日時点で9勝を挙げ、防御率3.06と投球内容はさらに向上。最速で150キロを超える速球と、好調時には140キロ台中盤に達する高速フォークが大きな武器。それに加え、フォークに近い球速帯から微妙に変化するカットボール、鋭く縦に曲がるスライダー、110キロ台のカーブと球種も多彩で、打たせて取ることができる点も長所だ。年を経るごとにその投球の完成度は高まりつつあり、今年はさらなるステップアップの気配も感じさせている。

・岩下大輝投手(ロッテ)

 プロ1年目の2015年オフに右肘のトミー・ジョン手術を受けた岩下。長期のリハビリを乗り越え、2018年に1軍デビューを果たした。当初は中継ぎが主戦場だったが、2019年以降は先発として登板を重ねた。2019年は故障、2020年は新型コロナウイルス感染と、2年連続で不運に見舞われて離脱する期間もあったが、貴重な本格派として奮闘していた。

 2021年も開幕ローテ入りを果たすと、前半戦だけで自己最多の8勝をマークした。7月13日と8月17日にいずれも5失点以上を喫し、防御率は1点近く悪化してしまったが、自身初となる2桁勝利、さらにその先に向けて、ここから状態を戻していけるかに注目だ。

 最速150キロの速球と、130キロ台後半から140キロ台に達する切れ味鋭いフォークが投球の軸に。今季はそれに加えて、縦気味の変化ながらフォークとは球速も変化も異なるスライダーと、大きく曲がる緩いカーブも効果的に使えるようになり、投球の幅がより広がっている。先発投手に必要な引き出しも増えつつあるだけに、今季の活躍を通じて、先発陣の中心としての立ち位置を確立したいところだ。

奪三振率やK/BBで優れる宮城と山本、打たせて取る高橋と岩下

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