上位と下位「真っ二つ」のセ・リーグが混戦に? 専門家がBクラスの“逆襲”を大胆予想
中日は投手陣が充実「あとはチャンスをつくって…」
プロ15年目・33歳の曾澤は、2019年の「WBSCプレミア12」で侍ジャパンの正捕手を担い、優勝に貢献。今年6月15日の西武戦で左脚を痛め、東京五輪代表は辞退せざるをえなかったが、侍ジャパン・稲葉篤紀監督も絶大な信頼を寄せていたベテランだ。もともと広島の先発投手陣は森下暢仁、大瀬良大地、九里亜蓮ら力のある顔ぶれで、抑えのルーキー・栗林良吏にも絶対的な安定感がある。正捕手の復帰で俄然上位進出の可能性が出てきた。
DeNAついては「攻撃力が間違いなくリーグトップ。チーム全体が爆発力を秘めている」と野口氏。現在リーグ打率ランキングでトップ3を、タイラー・オースティン、桑原将志、佐野恵太が独占。もともと強力な打線に、ここにきて2年目・19歳の森敬斗が遊撃のレギュラー争いに加わるなど若手が芽吹き、勢いがある。
中日はリーグ断トツの132奪三振、同2位の防御率2.10をマークしている柳裕也を筆頭に、大野雄大、小笠原慎之介ら先発投手陣は揃っており、リリーフ陣も安定。「点が取れていない打線も、主砲の(ダヤン・)ビシエドは好調なので、あとはチャンスを作って彼につなぐ選手が現れれば……というところ」と野口氏は見ている。
今のところ上位に大差をつけられていはいるが、Bクラスの3チームもそれぞれ急上昇の可能性をはらんでいる。三つ巴の首位争いを展開するAクラス3チームも“3弱”を侮ると痛い目にあいそうだ。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)