球団史上初の偉業達成へ 西武・栗山巧の“生え抜き2000安打”が持つ意義とは
チャリティ活動にも積極的、2014年に「ゴールデンスピリット賞」受賞
栗山は小学5年時に阪神大震災を経験したことから、チャリティ活動にも積極的だ。東日本大震災の被災地支援や、小児がんと闘病する子どもたちへの支援に加え、オフシーズンには少年野球大会の「栗山巧杯」を主催し、野球の裾野拡大に取り組んでいる。そうした活動が認められ、2014年には社会貢献活動に熱心な野球関係者に贈られる「ゴールデンスピリット賞」に、球団史上初めて選出されている。
また、西武の公式ホームページに掲載されている、栗山の2000安打達成記念特設サイトの「ONE ROAD」にも人格を示すエピソードがいくつも紹介されている。グラウンド内外で気配りを見せ、プレーでも長年にわたってフォア・ザ・チームを体現し続ける栗山の懐は深く、そして広い。
今季の西武は8月30日時点でリーグ5位と、やや苦しい戦いを強いられている。しかし、愛斗外野手、岸潤一郎外野手、山田遥楓内野手ら若手や、呉念庭内野手、川越誠司外野手といった中堅が台頭しており、チームの新陳代謝は徐々に進みつつある。
こうした選手たちが近未来の主力に成長し、栗山のようにチームを長く支え続けてくれる存在となれば、再び上昇気流へと乗っていけるはずだ。その身をもってチーム愛を示し、数々の球団記録を打ち立ててきた生え抜きのベテランが果たす役割はこれまでも、そしてこれからも変わらず大きなものであり続けることだろう。
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)