佐藤輝復調のポイントは? 3位転落の阪神、再浮上の条件と試される首脳陣の手腕
「外国人枠をどうやり繰りしていくか、首脳陣の腕の見せ所」
さらに野口氏は「こういう時こそ起爆剤が欲しい。2軍にそういう人材がいるかというと……実は井上(広大外野手)の骨折は痛いんですよ」と言う。高卒2年目の井上は、ウエスタン・リーグトップの50打点、同2位の9本塁打(30日現在)をマークし成長著しい。ペナントレース中断中のエキシビションマッチでは1軍に呼ばれていたが、20日のウエスタン・リーグのソフトバンク戦で右足の脛骨を骨折。痛恨の離脱となった。
16年ぶりの優勝には「大山と佐藤輝の復調が不可欠」(野口氏)だが、2人に火が付くまで、外国人選手のサポートが必要になる。30日には中継ぎで活躍していたラウル・アルカンタラ投手を抹消。しばらくはジェフリー・マルテ内野手、ジェリー・サンズ外野手、メル・ロハス・ジュニア外野手の外国人野手3人体制を敷くことになりそうだ。
一方の投手陣も、エース格の西勇輝投手が6月25日のDeNA戦以降6連敗となっているのをはじめ、軒並み調子を落としている。「その中にあって(ジョー・)ガンケルは先発で試合をつくれている。外国人枠をどうやり繰りしていくか、首脳陣の腕の見せ所だと思います」と野口氏は強調した。外国人枠は出場選手登録が5人、ベンチ入りが4人まで。基本的に守護神のロベルト・スアレス投手は外せず、ガンケルが先発する日には、外国人野手3人のうち1人を外さなければならなくなる。
開幕直後から快進撃で虎党ファンを歓喜させたが、長いペナントレースを独走で乗り切れるほど甘くなかった。投打とも不振に陥り首位の座から転落した今こそ、猛虎の真価を問われる踏ん張りどころだ。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)