「お前が物足りないだけ」プロ1号が満弾&2発6打点…鷹リチャードの爆発導いた言葉

4日の試合前に王貞治球団会長から指導を受けるリチャード【写真:藤浦一都】
4日の試合前に王貞治球団会長から指導を受けるリチャード【写真:藤浦一都】

消沈するリチャードを奮い立たせた藤本2軍監督の言葉、落ち着きを与えた小久保ヘッドの一言

「お前が物足りないということや」

 1対1で話をする中で、言葉をかけられてハッとした。1軍に残れなかったのは、1軍で出番を掴むには足りない何かがあるということ。藤本2軍監督の言葉に「また火がつきました」と奮い立たされた。

 4日の試合では初安打を欲しがる姿を見て小久保裕紀ヘッドコーチが諭すように言った。「気持ちは分かるけど、欲しがるな。俺だって初安打を打ったのは9打席目やぞ」。精神的に焦りのあったリチャード。「自分のことばっかり考えそうになっていたので、心がホッとしたというか、欲しがらずに自分のやってきたことをやろうと思った」と、この言葉がその後の初安打に繋がった。

 バッティングに対しての考え方もシンプルだ。キャンプ中から王貞治球団会長や小久保ヘッドコーチを筆頭に打撃のアドバイスを受け、試行錯誤を繰り返してきた。ここにきてたどり着いたのは「タイミングだけ」。「打撃コーチの平石さんにも、立花さんにも『あとはタイミング』と言われる」。打席の中ではスイングへの意識はなく、タイミングを合わせることに集中する。

 この日の勝利でオリックスとの差を4ゲームとしたソフトバンク。残り40試合を切り、負けの許されない状況が続く。そんな中で突如として現れた“ラッキーボーイ”。「浮かれている場合じゃないんで、地に足をつけて、チームのために頑張って勝てるようにしたいです」と意気込むリチャードが、追うソフトバンクに勢いをもたらす存在になるかもしれない。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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