阪神・大山悠輔の復調は“時間の問題”だった?! データで紐解く不振の要因

コース別打率やコンタクト率からは高めの対応に課題が…

 とは言え、“運”だけでないのも事実。コース別の打撃成績を見ると、昨季との違いが浮かび上がってくる。昨季のコース別成績を見ると、大山は高めの対応に強みがあった。真ん中高めや内角高めのゾーン内は1割台だったものの、ゾーンを外れる高めのボールで高いアベレージを残し、コース問わず真ん中の高さでは強さを発揮していた。

 だが、今季の成績を見ると、高めのゾーンはゾーン内、ゾーン外ともに低いアベレージとなっている。同様にボールを当てた割合を表す「コンタクト率」もコース別に見ると、昨季に比べて今季は高めで下落傾向にある。これまで得意としていた高めの対応に苦労し、打撃の状態を落としていたと読み解くことができる。

 9月に入って打撃の状態が上向きつつある大山。2005年以来、16年ぶりのリーグ優勝を目指す阪神にとって、主砲の復活はこの上ない追い風となるはずだ。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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