プロ6年目に才能が開花 “台湾の星”西武・呉念庭、データから見る活躍の理由

高い得点圏打率、今季は.350を超える

 続けて、今季成績を、セイバーメトリクス等で用いられる各種の指標に基づいて見ていきたい。

呉念庭の年度別各種指標【表:PLM】
呉念庭の年度別各種指標【表:PLM】

 今季の呉を語るうえで外せない事象が.350を超える得点圏打率だ。2020年以前も、1軍での出場機会があった4シーズンのうち3度、年間打率を上回る得点圏打率を記録。通算打率.234に対して通算の得点圏打率は.298と、キャリア全体を通じて勝負強さを発揮している。

 得点圏打率は、同じ選手でもシーズンごとの上下が大きく、運の要素が強い指標とされている。しかし呉に関しては、2020年までの打数は決して多くなかったとはいえ、キャリアを通じてほぼ同じ傾向を残し続けており、一概に運の一言だけでは片づけられない。

 2軍では2020年までの全てのシーズンで出塁率.350を上回る数字を記録しており、選球眼の良さも特徴の一つだ。1軍でも2020年には打率.227に対して出塁率.320、IsoD(出塁率から打率を引いた値)が.093と高い数値を記録していたが、2021年のIsoDは.074とやや減少。一方で、三振率は現時点でキャリア最少のペースで推移しており、四球率も2020年と比べて向上している。

守備では一、二、三塁をこなすユーティリティプレーヤー

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