「世界一の二遊間コンビ」から15年… 川崎宗則&西岡剛が“過去最高”に笑顔な訳

独立Lでの日々…西岡「視野広がった」川崎「したいようにやる」

 阪神を戦力外となり、NPB復帰を目指して2019年に栃木入りした西岡。今でも「現役でいる以上は最高峰の舞台を目指す」と言う。その一方で、スピードスターとして突っ走ってきた野球人生で、見逃してきた景色や思い、課題があることにも気づいた。超エリートだった自らとは違い、泥臭く上を目指す若き独立リーガーたちの姿や、NPBとは全く異なる環境……。さらに野球界全体を俯瞰できるようにもなり「すごく視野が広がった」とうなずく。

 2019年は台湾プロ野球でプレーし、コロナ禍の影響で2020年途中から栃木に加わった川崎。「NPBはもういい」と断言し、新たな環境を楽しむ。「誰に文句を言われることもない、僕の人生ですから、したいようにやる」。若手に常識を押し付けることはしない。ただ、聞かれれば自らの引き出しを開けて見せる。日本、米国、台湾を見てきた“ムネリンの目”は、旧態依然とした部分も残る球界の課題も鋭く突く。

 栃木で再会した2人は、野球の本質を問いかけているようにも見える。西岡はよく言う。「小さい頃は楽しかったのに、仕事になった途端、野球がつらくなる。仕事だから仕方ないけど、野球って本来楽しいもんやから」。グラウンドでしか感じられないワクワクに取りつかれた姿が、見ているファンを魅了する。球宴でのバッテリー結成も、そのひとつ。やりたいことをやり、言いたいことを言い、独立リーグという“草の根”から球界にボールを投げていく。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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