2年連続最多勝の直後に“根性論”から脱却 山本昌氏を50歳まで導いた劇的転換
臨時コーチ務めた阪神キャンプで宣言「答えられないことはありません」
以来、NPB史上初の50歳登板を果たして引退する2015年まで、20年間の二人三脚。「小山先生が言ってくれたことを、僕がマウンドで『こうでした』と実践できた」。試行錯誤を繰り返し、体との対話を深めていく。2006年に41歳1か月でノーヒットノーランを達成。42歳を目前にした2008年8月に通算200勝に達し、2014年には48歳4か月で史上最年長白星も挙げた。
成功体験に縛られることのなかった、学びの連続。「変わることが怖くなくなった。もっともっと良くなるという思いが大きかったと思います」。変えなかったのは、投げる際に右肩に“壁”を作る意識と、リリースの位置だけ。「この2つだけ抑えておけば、あとはなんぼでも変えられるという感じでした」。基礎があるからこそ、様々な応用が利いた。
蓄積されてきた知識と経験は、引退してもなお自らを象るアイデンティティとなっている。「どうすれば変化球が曲がるとか、コントロールが良くなるとか、僕の中では答えがあります」。2019年に臨時コーチとして阪神の春季キャンプに参加した際、投手陣にこう宣言した。
「何でも聞いてくれれば、必ず答えられると思います。答えられないことはありません」
向学に終わりはない。「小山先生からは無限に出てくると思うんで、まだまだ色々と聞きたいなと思います」。“中年の星”と呼ばれた伝説の左腕は、“探求者”として歩みを止めることはない。
○山本昌(やまもと・まさ)1965年8月11日生まれ。日大藤沢高から1983年のドラフト5位で中日に入団。現役32年、実働29年で最多勝3度、沢村賞1度。2006年には最年長記録となる41歳4か月でノーヒットノーランを達成。2008年には史上24人目となる200勝を挙げた。2015年10月に、前人未到の50歳1か月26日で公式戦登板、その年限りで現役を退いた。通算581試合に登板し、219勝165敗5セーブ。
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(小西亮 / Ryo Konishi)