“最強右腕”シャーザーに独占インタビュー 「簡単さ」と語る投球の極意とは?
「自分の投球動作を丁寧に確認しながら投げ込めば、他の何にも邪魔されることはない」
ドジャースのワールドシリーズ連覇の期待を背負いシーズン途中にトレード移籍したマックス・シャーザー投手。現役最多となる3度のサイ・ヤング賞を手にする現役最強右腕が「Full-Count」の独占インタビューに応じ、帝王の哲学について語ってくれた。【盆子原浩二】
今季はシーズン途中にナショナルズからドジャースに移籍。ここまで移籍後は8試合に登板し6勝0敗、防御率0.88と無双状態が続くシャーザー。12日(日本時間13日)、本拠地パドレス戦では史上19人目の通算3000奪三振を達成するなど衰え知らずの投球を続けている。
試合に入ると自身の世界に入り込み、時にはナインや首脳陣の言葉も耳に入らない程、集中力を高める姿がある。圧倒的な投球を見せつける秘訣について右腕は「簡単だよ!」と笑顔を浮かべる。味方の援護、審判の判定などは一切、気にせず投げるという。
自分ではコントロールできない部分に神経を使っても無意味。だからこそ「そういった要素は簡単に集中を奪っていく。でも対峙する打者だけにしっかり向き合って、自分の投球動作を丁寧に確認しながら投げ込めば、他の何にも邪魔されることはないからね」と語る。
球場を離れればチームメートたちとリラックスした時間を過ごす。極限状態まで集中力を高め、過酷なシーズンを戦い抜くため「マウンドで常に全力を捧げるために、登板日以外の過ごし方は僕にとってすごく大切な時間なんだ」と振り返った。オンとオフの切り替えが上手くいっていることも、常に結果を残せている一つの要因だ。
2008年にメジャーデビューを飾り今年で14年目のシーズンとなる。37歳のベテラン右腕の野球哲学を問うと「常にいいアスリートでいること」と即答。現役最強右腕が生まれたのは偶然ではない。ストイックにトレーニングを重ね、自らの体も分析し築き上げた努力の賜物だ。
「自分に限界を設けずに、この体一つでどこまで行けるのかをひたすら追求するのが、僕の哲学だ」
自らのプレーに一切、妥協を許さないシャーザーがドジャースを地区9連覇、そしてワールドシリーズ連覇に導くはずだ。
(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)