先発もリリーフも「こだわりはない」 ロッテ中村稔、助っ人右腕から学んだ“新たな武器”
「落ち込むことはありました」 昨季は11試合に登板も、プロのレベルを実感
長崎・清峰高では1年からベンチ入りし、3年夏の県大会で大会タイ記録の1試合18奪三振を記録。上の舞台でプレーすることを目標に亜細亜大に進学し、戦国東都で最優秀防御率などのタイトルも獲得。そこで身につけた“亜大ツーシーム”は大きな武器となった。
2年時には侍ジャパン大学代表候補の選考合宿にも招集された。同い年の伊藤将司(現阪神)とは同じ部屋だった。「真っすぐのキレ、球速は同じくらいだったんですけど、真っすぐで空振りが取れて凄いなと思いました」。その他にも柳裕也(現中日)、浜口遥大(現DeNA)、栗林良吏(現広島)ら20人の投手の内、15人が後にNPB入りするという豪華メンバーに囲まれ、自然とプロへの意識が高まった。
2018年ドラフト5位で入団。2年目の昨季は一時先発ローテにも加わったが、2勝2敗、防御率4.78に終わった。「5回持たずに降板とかたくさんしてしまったので、挫折までとはいかないですけど、落ち込むことはありました」。プロのレベルを身に染みて感じた1年を過ごし、オフにはシーズン終盤まで投げ抜くための体力強化やウエートトレーニングにも取り組んだ。
今季はリードされている場面での登板が多いが、地道にアピールを続ける。「納得いくというまではいかないんですけど、昨シーズンに比べて、防御率は低く投げられているので、そこはいいかなと思います」。投げるたびに反省を繰り返し、浮かび上がった課題に取り組む日々だ。
リリーフとしては、もちろん勝ちパターンでのを登板を目指す。「自分が投げた試合はしっかりと抑えて、逆転を呼び込めるようなピッチングをしていきたいなと思います」。15日に出場選手登録を抹消されたが、ロッテは優勝争いの真っ只中。昨年はCSで投げられなかった悔しさもある。次の出番がやってきた時は、チームにとっても自分にとっても重要な場面となるのは間違いない。奮起を誓い、最後まで腕を振っていく。
○中村稔弥(なかむら・としや)1996年7月8日生まれ、長崎県佐世保市出身。25歳。清峰高から亜細亜大に進学し、2年春には最優秀投手とベストナインに選ばれる。4年秋には最優秀防御率を獲得し、2度目のベストナインを受賞。大学の同級生に頓宮裕真(オリックス)、正隨優弥(広島)がいる。2018年のドラフト会議でロッテから5位指名を受け入団。178センチ、84キロ。左投げ左打ち。
(上野明洸 / Akihiro Ueno)