入団1年目のあだ名は「骨折くん」 元巨人鈴木尚広さんが38歳までプレーできた理由
生活習慣も改善、睡眠を8時間確保するため逆算して行動した
けがを防ぐためにインナーマッスルを強化し、これまで無頓着だった体のケアにも注力した。この年、イースタン・リーグ2位の27盗塁をマーク。プロ入り後初めて、故障せずに1年間シーズンを戦った。
鈴木さんは体をケアする大切さを実感し、より効果のあるトレーニングや生活スタイルを追求した。けがを予防し、パフォーマンスアップを上げるストレッチは特に重視し、時間をかけた。トレーナーに任せきりにせず、グラウンドを離れた生活習慣にもこだわった。
体力の回復に睡眠時間は不可欠。「睡眠時間を大事にしない人が多いが、睡眠を削るのはストイックではなく疲労を翌日に持ち越しているだけ」と8時間を確保した。
24時間のうち8時間を睡眠に充て、逆算して食事や風呂の時間を決めた。バランスの取れた食事は体づくりのためだけではなく、栄養を取らないと質の良い睡眠にならないためでもある。風呂で大切なのは湯船に浸かること。シャワーを浴びるだけでは、筋肉を緩めてほぐす効果がないという。何気ない日常生活が、けがの予防や技術の向上につながった。
鈴木さんは現役引退後、睡眠や食事、ストレッチなどの大切さを子どもたちに伝えている。習慣にできるかどうかが、中・長期的な差となって表れるが「まずは1つだけでいいので、できることから続けることが大切。成功体験が、2つ目の習慣、3つ目の習慣へとつながります」と訴えた。
けがによってプロ野球生活を終える選手は少なくない。避けられないけがはあるが、自分の体との向き合い方が選手生命を左右する。38歳まで走り続けた鈴木さんが証明している。
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(First-Pitch編集部)
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