5連敗でCS危機に瀕する鷹 救援陣の“急失速”を読み解く気になるデータ
総登板数は多いが、対戦打者数は少ない鷹の救援陣
さらに、ソフトバンクは救援投手の一登板あたりの平均対戦打者数が3.8人、平均球数が15.4球となっている。これはロッテの4.3人、16.9球、オリックスの4.1人、16.5球、楽天の4.4人、17.4球よりもかなり少ない。登板数が多い上に、投球数や打者数が少ないということは、それだけ小刻みな投手運用を行っているとも取れる。
チームトップの登板数は嘉弥真の51試合だが、8月31日の登板が最後に登録抹消となった。津森も42試合に投げているが、こちらも8月29日が最後の登板。チームで4番目の登板数である31試合に投げた泉は6月22日が最終登板で、開幕から3か月足らずで30試合超を投げた事になる。泉と同じ31登板の板東は6月だけで11試合、8月は14試合中半分の7試合で登板している。
森やモイネロといった柱を欠いたことで、一部のリリーフ投手の負担が大きくなっていたことは否めない。また、負担がかかるのは、登板した時だけではない。登板数以上に、ブルペンで出番に備え肩を作る機会があり、これも大きな負担になる。継投が小刻みになれば、その分、投手が準備する機会は増える。そうしたしわ寄せが、終盤に来て救援陣を襲っているのかもしれない。
また、甲斐野や岩嵜も怪我明けや不調での抹消から復帰したばかりで、明らかに本来の姿ではない。投手が抑えても不調続きの打線がリードを奪えない、リードしても投手陣が踏ん張れない。そんな投打の歯車が噛み合わない悪循環に陥っているソフトバンク。CS進出圏も遠のく苦境を抜け出す手立てはあるのだろうか。
(Full-Count編集部)