大谷翔平のスプリットは「直球に見える」 なぜ無双?…捕手が語る魔球の威力
スプリットは決め球、カウント球として威力を発揮「動き出しも遅いし、球速も出ている」
メジャー4年目で初の2桁10勝目まであと1勝に迫っているエンゼルス・大谷翔平投手。19日(日本時間20日)の本拠地・アスレチックス戦では8回5安打2失点。10三振を奪う力投を見せたが、その投球を支えたのがスプリットだ。バッテリーを組んだマックス・スタッシー捕手は「ショウヘイのスプリットは今まで受けてきた中でも一番だ。動き出しも遅いし、球速も出ている。直球に見えるね。とてもユニークな球さ」と、その威力を語った。
大谷が19日(同20日)の試合で投じた全108球のうち57球がスプリット。最速92.0マイル(約148.0キロ)を計時したスプリットは全投球割合の実に53%を占めた。スタッシーによれば、スプリットのサインは1つだけ。ボールの握りを変えてカウントを稼ぐ球として使うか、それとも空振りを取るために使うかなどは全て大谷に委ねているという。
「ショウヘイは打者でもあるので、ユニークな能力がある。特定の状況を理解し、その場面でどの球を投げるべきか。そして、おそらく打者の心理も理解している。非常に賢いし、試合の状況について熟知している」
スプリットが生きたのも最速99.0マイル(約159.3キロ)を計時したフォーシームがあってこそだ。2019年までのアストロズ時代に剛腕ゲリット・コール(現ヤンキース)の剛速球を受けてきたスタッシーは「ともに球界でエリート中のエリートの投手。特別な直球を投げるね」と評価した。
次回登板で勝てば、1918年ベーブ・ルース以来103年ぶりの2桁勝利&2桁本塁打を達成する。「ショウヘイは体の健康を保ちつつ、力強い状態のままでいるために、とても一生懸命調整に取り組んでいる。やることなすこと全てにすごく集中できているのは、それが理由だと思うよ」とスタッシー。今季のスプリットは被打率.067と抜群の好成績を残している。次回も魔球スプリットでキリキリ舞いにする投球を期待したいところだ。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)