上位追撃のカギが打たれた痛恨の一敗　劣勢でも方程式を注ぎ込んだ鷹・工藤監督の思惑

打線は日本ハム先発の上沢の前に8回まで甲斐のソロによる1点のみ

　試合後、工藤監督はこう振り返り、敗戦を嘆くことはなかった。ただ、モイネロと森は復帰直後に指揮官が上位追撃へのカギに挙げていた存在。2人が抑えていくことこそ、ソフトバンクの追い上げが可能になるだけあって、その森とモイネロで星を落としたのは痛い。

　もちろん、打線が終盤まで1点も奪えなかった点も敗戦の一因だ。日本ハム先発の上沢の前に5回までわずか1安打。甲斐のソロで1点を返すまで内野安打2本だけとほぼ完璧に封じ込められ「ウチの打線も決して当たってないわけではないので、そういう中であそこまで封じられたのは上沢くんが上だったのかな、と見てます」と指揮官も脱帽だった。

　首位ロッテに連勝し、勢いに乗って帰ってきたはずの本拠地で連勝がストップしたソフトバンク。首位とは7ゲーム差、3位とは3ゲーム差。工藤監督は「まだ試合はあるんで、ウチの選手の力からしたら追い越すことは全然難しくない。まずは明日です。明日しっかり取り返すということですね」と語り、視線を先に向けていた。

（福谷佑介 / Yusuke Fukutani）