侍ジャパン稲葉監督 「五輪を野村監督に見ていただきたかった」恩師に感謝の言葉
墓前に金メダル獲得の報告済ませる
東京五輪で金メダルを獲得した野球日本代表「侍ジャパン」の稲葉篤紀監督は30日、都内で退任記者会見を行った。席上、ヤクルト時代の恩師にあたる故・野村克也監督の墓前に金メダルを報告したことを明かした指揮官は「直接見ていただきたかった」と残念がった。
稲葉監督にとって、野村氏は法大からプロ入りに導いてくれた恩人。日本ハムに移籍してからも事あるごとにグラウンドで愛ある“お説教”を受けていた。野村氏は2020年2月にこの世を去った。
自身が日本代表の指揮を取るにあたって「表向きはいろんなことを言っていましたけど、裏ではでは心配していたと聞いています。このオリンピック、野村監督に見ていただきたかった」と神妙な顔で口にした。
選手として2008年の北京五輪に出場、メダルなしに終わった稲葉氏は「五輪の借りは五輪で返す」と口にし、チームの一体感を重視した。結果、東京五輪では初戦から決勝まで5連勝で頂点へ上り詰めた。準備を重視した野球観は、まぎれもなく野村氏の影響。快挙のベースとなった。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)