「落合さんが理想です」 ドラフト候補の大型捕手、3度の3冠王を貪欲に“解剖”
二塁への送球タイムは最速1.84秒、打撃は「落合さんが理想です」
高木は捕手としての長所を「肩の強さ」と自己分析する。遠投105メートル。下半身と上半身を連動させるステップを強化し、武器を磨いた。2秒を切るとプロレベルとされる二塁までの送球タイムは最速1.84秒まで縮めた。目指すのは球界で強肩の代名詞とされる存在のソフトバンク・甲斐拓也。二塁までの送球は1.7秒台前半だ。
「肩に自信があるといっても、プロと比べるとまだまだです。コンマ何秒を速くするのが大変ですが、今は1.8秒を目標にしています」。無駄のない動きとコントロールを身に付け、“キャノン”と呼ばれる甲斐の強肩に近づくつもりだ。
高木がドラフト候補になっている理由は打力にもある。どの球団も「打てる捕手」を求めている。高木の魅力は、広角に打ち分け、逆方向にも打球が伸びるところ。参考にするのは3冠王に3度輝いた落合博満氏だ。
美しい放物線を描き右中間にも本塁打を量産した打撃理論に「体が開いているように見えても、逆方向に飛距離を出せるのは参考になります。自分もアーチ状の本塁打が多いので、落合さんは理想です。胸椎、みぞおちのあたりを回してスイングすることなど、現役時代を知らなくても動画を見て取り入れています」と貪欲に知識を吸収している。
高木がプロ野球選手に憧れた理由は「本塁打」だった。ファンが打球を目で追う瞬間、時が止まったように球場が静まり返り、スタンドに入ると大歓声に包まれる。「本塁打がプロ野球選手のかっこよさでした。打てる捕手になって、最終的にはプロで本塁打王を獲りたいです」。こだわり続けてきた「4番・捕手」として、今度は自分が少年たちの憧れの存在となる。
(間淳 / Jun Aida)