4年前の指名漏れがリスタートの日に 京産大の最速153キロ右腕が描き続ける成長曲線

9月13日の神戸学院大戦で自己最速の153キロを計測

 京産大では勝村法彦監督が重要視している身体の使い方を徹底的に学んだ。グラウンドだけでなく、解剖学書を自費で購入して読み込んだり、オンラインサロンで身体生理学の知識を得たりした。「正しい姿勢になれば動きもよくなる。正しい姿勢で動いたりトレーニングしたりランニングしたりっていうのを積み上げていく中で、動作の中の安定感がでてきました」と話すように、姿勢の安定がフォームを安定させコントロールや球質の向上に繋がった。

 9月13日に行われた関西六大学野球秋季リーグ・神戸学院大戦では自己最速の153キロをマーク。最後のリーグ戦で3年半の成長を見せ続けているが、それに伴いプロ野球という夢の位置づけも北山の中で変化していた。「プロにはもちろん行きたいですけど、いいボールを投げたいという延長線上にプロがあるっていう感覚ですね。いい投手になりたいと頑張ってきた延長線上に今、プロの世界が見えてきたのでプロが全てっていう感覚ではなくなってきました」。

 研究熱心な北山の心にあるのは「野球がうまくなりたいという純粋な気持ち」だった。それ故か、ドラフト会議が間近に迫っていても実感はまったくないという。「果てしなく成長したい気持ちなのでゴールはない」という貪欲な182センチ右腕。10月11日、北山にとっての“通過点”がやってくる。

(市川いずみ / Izumi Ichikawa)

市川いずみ(いちかわ・いずみ) 京都府出身のフリーアナウンサー、関西大学卒。山口朝日放送アナウンサー時代には高校野球の実況も担当し、最優秀新人賞を受賞。学生時代はソフトボールで全国大会出場の経歴を持つ。

RECOMMEND

CATEGORY