捨てた奪三振、大学4年で目覚ましい成長 日大152キロ右腕が迎える2度目のドラフト

「先発として大事なのは長いイニングを投げること」

「どうしても後半に打たれてしまうんですよね」。皮肉にも三振を奪うことが原因の一つだと気づいた。奪三振は投手の醍醐味だが、どうしても球数が増えてしまい、終盤にバテてしまう傾向があった。そこで、奪三振へのこだわりを捨てた。「先発として大事なのは長いイニングを投げることなので。三振を取りたいというのはありますけど、打たせて取ることを意識するようになりました」

 強化したのがツーシームやカットボール。カーブやスライダーなどを投げる際に腕の振りが緩む癖があったが、ツーシームやカットボールではそれが解消されることにも気づいた。「これは武器になる」と確信した。

 そこから赤星は目覚ましい活躍を見せることになる。4年春には主戦投手として2部リーグで3勝1敗、防御率0.78をマークして最優秀選手賞を受賞。3校総当たりで実施された入れ替戦では東洋大を相手に1失点完投、翌日の立正大戦でも救援で勝利投手になり、1部昇格に導いた。そして、現在実施中の秋季リーグは1部初登板となった国学院大戦で123球3奪三振、翌週の中大戦で113球8奪三振で2試合連続完封。打たせて取る投球を心掛け、スタミナ切れすることなく9イニングを投げ切った。

 本人も高校の時とは違う手応えを感じている。「できることは全てやってきたので、あとは自信を持って待つだけです。プロに入っても今の投球スタイルを変えずにやっていけたらと思います」。高校時代の迷いはもうない。新たな武器を手に入れ、自信を持って11日のドラフト会議を迎える。

◯赤星優志(あかほし・ゆうじ)
1999年7月2日、東京都世田谷区生まれ。小学1年生から兄の影響で野球を始め、中学時代は軟式野球チーム「上馬シニア」に所属。日大鶴ケ丘高3年時には145キロを計測し、プロ野球志望届を提出するも指名漏れ。日大スポーツ科学部に進学し3年秋から先発として登板、4年春には2部リーグで3勝1敗、防御率0.78の成績を収め、1部昇格に貢献。秋は1部初登板から、2戦連続で完封勝利を収めた。最速152キロ。身長176センチ、体重80キロ。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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