松坂大輔、ラスト登板は四球 マウンドで満面笑み…相手ベンチに出向き異例の一礼
全5球の直球勝負、最後まで笑顔で23年間の現役生活に別れ
■西武 ー 日本ハム(19日・メットライフ)
西武・松坂大輔投手は19日、本拠地・メットライフドームで行われた日本ハム戦で先発として引退試合に臨んだ。横浜高の後輩にあたり、日本ハムの「1 番・指名打者」としてスタメン出場した近藤健介外野手に対し、全5球の直球勝負を見せた。
初球は118キロ直球でボール。カウント3-1からの5球目の116キロが外れて四球を与えた。マウンドで帽子を取って頭を下げると、ファンは総立ちで拍手。マウンドを降りると日本ハムベンチに出向いて一礼。三塁ベンチに戻ると、チームメートらとグータッチを交わした。涙はなく、最後まで笑顔だった。
昨年、首の痛みと右手のしびれに襲われ、脊椎内視鏡手術を受けたものの、症状に目立った改善は見られていない。試合前の会見では、「これ以上ダメな姿を見せたくないと思っていたが、引退をたくさんの方々に報告した際、最後にユニホームを着てマウンドに立つ松坂大輔を見たいと言っていただいた。どうしようもない姿かもしれないが、最後の最後にすべてをさらけ出して見てもらおうと思いました」と悲壮な思いを明かし、日米レギュラーシーズン通算377試合目のマウンドに上がった。
試合終了後には、グラウンドを1周してスタンドのファンの声援に応える予定。引退セレモニーは、12月4日にメットライフドームで開催されるファン感謝イベントで改めて行われる。日米通算170勝(NPB114勝、MLBで56勝)を誇る「平成の怪物」が、慣れ親しんだマウンドとエース背番号で23年間のプロ野球生活に幕を下ろした。