阪神ドラ4・前川が思い描く「一流の条件」 指名から20時間後に“プロの覚悟”
ゼロからのスタートを強調「もう1回、自分を磨いて輝けるように」
高校通算37本塁打。「阪神の左打者は?」との質問にはすぐに「金本(知憲)さん」と答える。しかし、現時点で目指すのは本塁打王でなく「首位打者」。“阪神・前川右京”として、どんな打者になっていくのかは「見つめ直したい」という。
「智弁学園の前川右京はガンガン振って、来た球を強く振るっていう感じです。高校時代は高校時代で、次はゼロからのスタート。もう1回、自分を磨いて輝けるように頑張りたいです」
まだドラフト指名から20時間ほどしか経っていなかったが、すでに次のステージを見ていた。「キャッチボールひとつにしても、少しでも上のレベルの状態で行きたい。打つにしても、守るにしても、体作りにしても、全部力入れていきたいなと思います」。前日までと同じ練習でも、より意識を高く持つ。
「活躍しても、謙虚である人が長く活躍できると思います。いくら活躍したとしても、自分が出来ることやっていきたいです」。足元を見つめつつ、虎党には「『右京』って呼んでほしいです」と少し照れくさそうにオファー。わずかに伸びた髪がまだまだ18歳であることを思わせるが、指名を受けた安堵感よりも、プロ野球選手として生きていく覚悟を感じる。“阪神の右京”になる準備はすでに整っている。
(市川いずみ / Izumi Ichikawa)
市川いずみ(いちかわ・いずみ) 京都府出身のフリーアナウンサー、関西大学卒。山口朝日放送アナウンサー時代には高校野球の実況も担当し、最優秀新人賞を受賞。学生時代はソフトボールで全国大会出場の経歴を持つ。