128人中128番目での指名 鷹育成14位・仲田慶介、恐怖との戦いだった3時間

不安と恐怖と戦った3時間「次で“選択終了”ってなるんじゃないかって」

 ソフトバンクが3軍制の拡大に伴い、このドラフトで多くの育成選手を指名することは仲田自身の耳にも入っていた。とはいえ、予想されていた指名人数は10人前後。「次で“選択終了”ってなるんじゃないかって怖かったです」。“選択終了”の文字に怯えながら待った。名前は呼ばれない。仲田の緊張は続いた。

 そして、やってきた育成14位。ついに、その瞬間は訪れた。

「福岡ソフトバンク 仲田慶介」

 夢が叶った瞬間だった。一気に押し寄せてくる安堵感。その直後に、仲田が怯えていた「選択終了」のアナウンスが響く。最後の最後、128人中128人目で滑り込んだ。

 待ちに待ったからこそ、込み上げてきた歓喜と安堵。と同時に、仲田には周囲への感謝の気持ちが溢れてきた。「自分だけの力ではここまで来られなかったので、その思いが1番でした」。家族、トレーナー、一緒に汗を流してきた野球部の仲間達。今まで自分の人生で関わってきた沢山の人の顔が仲田の脳裏に浮かんできた。

同じくプロ志望だったチームメート井上絢登は指名されず「井上には1番感謝している」

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