「僕の中ではファインプレーではない」引退する巨人・亀井善行の好守備の定義
2009年にゴールデングラブ賞を受賞
巨人で17年プレーした亀井善行外野手が今季限りで現役引退をする。たくさんの笑顔とプレーでファンを沸かせてくれた。同僚から「神の領域」と絶賛されるほどの高いレベルのプレーが見られなくなると思うと、寂しい限り。将来、プロを目指す子どもたちに覚えておいてほしい、亀井の意識の高さについて紹介したい。
亀井は2009年にゴールデングラブ賞を獲得するなどの外野手の名手だ。球場のファンを魅了するファインプレー、目を奪われる正確な送球はこれまでいくつもあった。だが、引退会見で外野守備へのこだわりを聞かれると、こう答えた。
「誰もが見ても分かるファインプレーというのは、僕の中でファインプレーではないんです。目に見えないポジショニングとか、そういうのが僕の中のファインプレーです」
つまり、打者や状況に応じて、守備位置を細かく変更し、打球を待っていた。そして、スタートの速さ、落下点へ入るスピードにもこだわった。他球団の選手から「亀井ほど無駄なく、美しく、ボールの落下点に入れる選手はいない」などと絶賛されていたほどだ。
また、入団3年目の2007年から15年間、同じ外野グラブを使っていた。同じものでないと不安で守れないからというのが理由だが、ずっと使い続けられるように用具のケアは怠らなかった。プロであっても道具を大切にする。人には見せない努力の部分があったからこそ、記憶に残るプレーヤーになれたのではないだろうか。
(First-Pitch編集部)
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