燕・村上が不動の4番に成長した4年間 小川GMが語る育成方針と驚きの成長スピード

村上の入団1年目には1軍監督を務めていた小川淳司ゼネラルマネジャー【写真:編集部】
村上の入団1年目には1軍監督を務めていた小川淳司ゼネラルマネジャー【写真:編集部】

「村上という人間の“芯”があったからここまでこられたのだろう」

 一流選手になるために必要な、高いポテンシャルと努力は誰もが認めるところ。小川GMはもう一つ、村上に備わっていた大事な要素を感じているという。

「誰もが努力をしたら必ず身になるかといえばそうではない。村上は考え方がしっかりしていた。一言で言ってしまうと“性格”となるのかもしれないけど、前向きで物怖じしない。凄く自分というものを持っている。それが一番の長所なのかな」

 SDとして2017年、早実と九州学院の練習試合を初めて視察した際、逆方向の左中間へ本塁打と二塁打を放った打撃と、高校生とは思えない体格の良さに驚いたという。同時に印象に残っていたのは、捕手としてチームを鼓舞し、勝利への思いを全面に出す姿だった。

 縁に導かれ、清宮(現日本ハム)の外れながらドラフト1位で獲得。12月の入団発表後の会食で隣の席になった。「とにかくよく食べる。遠慮しないし、こちらが質問したときの答え方も自分を変えず、いい意味で大人に気を遣っていない感じがした。性格的に大物になるのかなって。そういう部分も彼がここまできた大きな武器になったんじゃないかな」と振り返った。

 プロ野球の世界に入ると、より多くの人からアドバイスをもらう。成長のきっかけとなる一方で、打撃フォームを崩したり自分を見失う選手も多い。だからこそ、若くして自分をしっかりと持っている村上は強かった。小川GMは「ここまで来るのに良い思いも悪い思いもしたと思うし、ブレることもあっただろうけど、村上という人間のしっかりした芯があったからここまでこられたのだと思う」と精神的な強さを称えた。

 今季は中心選手としてベンチで大きな声を出す姿も多く見られ、小川GMは「勝ちたいというのがすごく出ている。ああいう姿はいいよね」と目を細める。ポテンシャル、努力、性格を兼ね備えた熱い4番が、6年ぶりの頂点に導いた。

(Full-Count編集部)

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