「99.9%の嬉しさと0.1%の悔しさ」 7年前を知るオリ“元鉄腕”広報が見た歓喜の時

オリックスの広報を務める佐藤達也氏(写真は選手時代)【写真:荒川祐史】
オリックスの広報を務める佐藤達也氏(写真は選手時代)【写真:荒川祐史】

2018年に現役を引退しオリックスの広報を務める佐藤達也氏

 オリックスが1996年以来、25年ぶりのリーグ制覇を果たした。京セラドームでロッテの敗戦を見届け首脳陣、ナインたちは喜びを爆発させた。歓喜の瞬間も束の間、メディアの対応に大忙しだったのは佐藤達也氏。2018年に現役を引退し、広報として今年で3年目を迎える“元鉄腕”は「選手たちと同じ気持ちになって応援していました」と喜びを口にする。

 現役時代はパ・リーグ最強のリリーフエースとして活躍。守護神・平野佳寿に繋ぐ“8回の男”として2013、14年は2年連続で最優秀中継ぎに輝いた。怪我もありプロ生活は7年間。活躍した期間は短かったが、魂の込もった投球でファンを沸かせた。2019年から球団広報に転身し、裏方としてチームを支えている。

 今年は何といってもエースの山本由伸投手の存在が大きかった。18勝を挙げるなど「投手5冠」の活躍でチームを引っ張り、25日の楽天との最終戦では打者を圧倒する完封勝利でVを引き寄せた。当日はベンチ裏で選手のコメント取りなどの準備をしていた佐藤氏も「自分はなにもできませんが『最後、頑張るぞ』と同じ気持ちで応援していました」と、陰ながらエールを送っていた。

 ブレークする姿を一番近くで見ていた。引退した2018年に高卒2年目の山本は54試合に登板し4勝2敗、32ホールド、防御率2.89の成績を残した。新たに“8回の男”を引き継ぐ形となった際には「どんな感じで投げていますか?」とアドバイスを求められることもあったという。

 キャリア晩年はファームで過ごすことが多く、ルーキーイヤーの山本が投げるボールは鮮明に覚えていた。後輩から「タツさん」と慕われる謙虚な男は「由伸は入ってきたときから凄かったので。技術も含めて完成された投手でしたし『俺なんかに聞かなくても凄い投手はいっぱいいるよ、心配しなくても普通に投げていれば大丈夫』と言うしかなかった。今の姿にも驚くことはないですね」と当時を振り返る。

「辛いと思ったことは一度もない」「恩返しと言える程じゃないですが、少しでも役に立てれば」

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