「99.9%の嬉しさと0.1%の悔しさ」 7年前を知るオリ“元鉄腕”広報が見た歓喜の時

「辛いと思ったことは一度もない」「恩返しと言える程じゃないですが、少しでも役に立てれば」

 現役時代に一度だけ優勝争いを経験している。2014年、ソフトバンクと最後の最後まで争ったがあと一歩のところで逃し、涙を飲んだ。その後、チームは昨年まで6年連続でBクラスに低迷した。今年もロッテと最後まで死闘を繰り広げ、7年前の雪辱を果たしてくれた。

 当時を経験し同期入団で現役を続けているの安達了一内野手、海田智行投手の2人だけ。「若い子たちも頑張っているけど凄いこと。安達は病気もあったし、海田も怪我で辛い時期があったけど2人ともそういった(優勝)経験をしてくれて良かった。本当に99.9%は嬉しいです、残り0.1%は自分ができてないのは悔しかったかなと(笑)。でも、本当に凄いって言葉しかでないですよ」と“同士”を労う。

 この後もクライマックスシリーズ、そして日本シリーズが待っている。今年のオフは選手のメディア露出も増えるのは確実で広報になって最も忙しい1年を過ごすことになりそうだ。

「辛いと思ったことは一度もないんです。やりたくても簡単にできる仕事じゃないですし。恩返しと言える程じゃないですが、少しでも球団だったり選手の役に立てれば一番です」

 現役時代はオフ期間も投げ続け、休むことを知らない“鉄腕”として知られた。強い責任感、謙虚さ、人徳。広報になってもその姿勢が変わることはない。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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