待望論も12年実現しなかった“立浪政権” 就任会見に表れた中日の危機感と本気度
自他ともに待望の監督就任、球団社長「近い将来、優勝してくれるものと…」
大島オーナーも「なかなか長い低迷から脱することができていません」と現実を直視。僅差をモノにできない勝負弱さに元凶を見出す。「一戦一戦をどう勝ち切って、上位チームとの競り合いを制して、長いシーズンをどう戦うのか。身を以て知っている立浪さんに、ぜひとも英知を、エキスを授けていってもらいたい」と勝負手に命運を託す。
立浪氏は2013年のWBCで打撃コーチを担い、今春の中日キャンプでは臨時コーチを務めたものの、シーズンを通した指導者の経験はない。自身も「ドラゴンズで強いチームを作るために指導者になりたいとの思いはずっと持ってました」と語るように、“竜の象徴”の指揮官就任は悲願でもあった。内外では常に待望論が渦巻いていた中、ついに実現した新政権。圧倒的な実績とスター性に裏打ちされた人気は言うまでもなく、再建のアイコンとしては他にいないとの声もある。
会見に同席した吉川克也球団社長は「10年優勝していないということで、周りから私もやんややんやと言われております」とも。“いつになったら……”というファンや関係者のため息をひとまず止めるためにも、立浪監督という強烈な話題はうってつけとも言える。「来年というわけにはいかないかもしれませんが、近い将来、優勝してくれるものと思っております」と、新指揮官の双肩に目一杯かけた期待。重責を跳ね飛ばし、常勝軍団を作り上げることができるのか――。その手腕が問われる日々が始まる。
(小西亮 / Ryo Konishi)