松坂大輔の言葉で“覚醒” 育成「最下位指名」から29試合に投げた西武新人右腕
恩人は松坂大輔、進化を呼んだ春季キャンプでの一言とは?
学生時代は投打で注目された二刀流。6月15日の敵地・広島戦でその打撃をアピールする機会が訪れるかと思われたが、叶わなかった。
「1アウト2塁で『これあるなと』と思って、呉(念庭)さんにバッティンググローブを借りて、気合入れてミラールームで素振りしていたんですけど『ないよ』って言われて。代打・中村(剛也)さんでした。その方がよかった。次、頑張ります」
強気で前向きな性格は、相手の内角へ攻め込む投球にも現れている。松井稼頭央2軍監督も気持ちの強さを評価しており「体のケア、怪我をしない身体作りをして、今年しっかり乗り切って欲しい」と話す。水上自身も1年目はスタミナ不足を感じたという。
「学生時代と違ってほぼ毎日試合をしているので、体力の面がきつかったです。ストレッチをして投球につながる柔軟性を含め、体づくりを意識してきました」
ドラフトでは西武に入団した12選手の中で“最下位”指名だったが、1軍で29試合に登板する飛躍を遂げた。その裏には、引退した松坂大輔投手に春季キャンプで掛けられた言葉があった。
「ブルペンを見ていただいたんですけど、その時に『シュートどんどん使っていきなよ』と言ってくれました。それから自信を持ってシュートを使うようになって、今がある。あの言葉がなかったら、今の自分のポジションはないと思います」
松坂が甲子園で春・夏連覇を達成した1998年生まれの23歳。「強気で攻めるのが自分の持ち味。もっとコントロールを磨いていけたらと思います」。若き右腕は、西武の新エースへなるべく成長を誓った。
(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)