準硬式出身の西武ドラ5は1軍登板も経験 “目から鱗”だったベテラン左腕の金言とは
先輩左腕・武隈からの言葉は「試合で力め」
支配下での指名は予想していなかったが、西武からドラフト5位指名。プロ入り後はボールの違いから抜け球が多くなることもあったが、徐々に慣れてきたという。松井稼頭央2軍監督は「直球はいいが、三振を取れる変化球も磨いてほしい」と話す。大学時代に投げていた5つの球種をスライダーとスプリットに絞って精度を上げてきたが、再び球種を増やし始めている。
「プロのバッター相手に長いイニングを投げると、スピードも落ちるし、球種も少ないのでまだまだ力が足りないと思います。徐々に変化球を増やして、球速も上げていきたいと思っています」
ルーキーイヤーは身体づくりに力を入れ、チームの先輩たちにも積極的に話を聞いた。中でもキャリア14年のベテラン左腕・武隈祥太投手のアドバイスが心に響いたという。「『試合で力め』と言われました。『2軍で力まないように投げても、1軍に上がったら絶対力むから。力んで合わせられるようになっておけば、1軍に上がったときにちょうどいいんじゃない』と言われました。それまではむしろ力まないように投げていたんですけど『なるほど』と思いました」
2軍で36試合に登板して1勝3敗1セーブ、防御率4.43をマーク。シーズン終盤の10月16日、敵地での楽天戦でプロ初登板を果たし、1回無安打無失点に抑えた。堂々たる投げっぷりでデビューを飾った右腕は、先輩の金言を胸に更なる成長を誓う。
(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)